扁桃炎の症状と気を付けるべき事

扁桃炎は喉の奥の口蓋扁桃が炎症をおこす病気です。
口蓋扁桃と言うのは、のどちんこの左右両側にある部分です。
ここが赤く腫れるタイプと膿で白く覆われたようになるタイプがあります。
症状は、喉の痛みだけではなく発熱や全身のだるさや寒気(悪寒)や関節痛などが現れることが多いです。
これら以外にも食欲不振や頭痛を伴うこともあります。
喉が痛いために食事が出来なくなったり、水を飲むことさえも痛くて困難になることもあるのです。

また、免疫をつかさどるリンパにも炎症が起きるため、首のリンパ腺が腫れることもあります。
原因は、細菌やウイルスが大半です。
健康な時には増殖しないウイルスや細菌であっても、疲れていたり睡眠不足が続いていたりストレスが溜まっているなどで免疫力が低下していると一気に病原菌が増殖することがあります。
すると、身体の免疫システムが働いて扁桃が病原菌と闘うので、炎症が起きるのです。

扁桃炎は若い人や子供に多いのですが、それは扁桃は加齢とともに萎縮して小さくなるからです。
「若い頃はよく喉が痛くなって真っ赤に腫れていたけど、最近はそういったことも全然なくなったなあ、年を取ると若い頃のように不摂生をしなくなったからかな」と言う人も多いですが、不摂生をしなくなったことだけではなく、加齢で扁桃が小さくなったから腫れにくくなったというのもあるでしょう。
扁桃炎になった時にご家庭で出来ることや気を付けるべきこととしては、水分が摂れるようならしっかりと水分補給をしましょう。
部屋は乾燥しないように、加湿してください。
扁桃炎は放置すると、扁桃の周囲にまで炎症が及んで扁桃周囲膿瘍となることもあります。
喉の痛みや悪寒や食欲不振や関節痛などの症状がある時は、医療機関を受診しましょう。

予防は、単純なようですが手洗いとうがいが大切です。
そして、部屋が乾燥している時は加湿器などで加湿したり、濡れたバスタオルを部屋干しするなどで部屋を乾燥させないようにしましょう。

扁桃炎で手術が必要になる時

治療は、細菌が原因の場合は細菌をやっつける抗菌薬を服用します。
ペニシリン系やセフェム系と呼ばれる抗菌薬やアジスロマイシンがよく使われています。
ウイルスが原因で単純ヘルペスの場合は、アシクロビルやバラシクロビルという薬を使います。
これ以外のウイルスの場合は、残念ながら現時点では効果的や薬がありません。
したがって対処療法となります。
解熱鎮痛薬で熱や痛みを和らげたり、抗炎症薬で喉の炎症を抑えます。
うがい薬などが処方されることも多いです。

同じ病名でも症状は一人一人違うし、治療法や薬の量も違うことはよくあることです。
「家族の時と薬が違うわ」などと不安になる人もいるようですが、症状や原因が違うと治療法や薬も違ってくるのだということを認識しておいてください。
抗菌薬は症状が良くなっても、最後まで飲み切ってください。
もう喉の痛みがなくなったからと思って途中で飲むのを止めてしまうと、まだ生き残っている菌が完全に死滅しません。
その結果、生き残った菌が薬に耐性を持ってしまうことがあるからです。
水を飲むのも痛くて困難だという時や食べ物が食べられないという場合は、水分を補うために輸液を行ったり栄養分を点滴で体内に入れるなどの治療を行います。

一昔前は、結構扁桃摘出術(扁桃切除術)を行っていましたが、現在は一般的な治療にはなっていません。
重篤な例や何度も扁桃炎を繰り返している頻発例の時は扁桃切除を検討しますが、それ以外で手術が検討されるということは、まずありません。
万が一扁桃切除術を行うことになった場合も、入院が必要になることはまずありません。
今は外来で手術をして暫く休んで帰宅する外来手術で行うことが出来ます。
また、成人で扁桃切除術が必要になるということも非常に稀で、ほとんどないと言ってもよいでしょう。
それは前述したように、大人になると扁桃は委縮して小さくなるからです。